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・・・途中白石の町は往時民家の二階立てを禁じありしとかにて、うち見たるところ今なお巍然たる家無し。片倉小十郎は面白き制を布きしものかな。福島にて問い質すに、郡山より東京までは鉄路既に通じて汽車の往復ある由なり。その乗券の価を問うにほとんど嚢中有る・・・
幸田露伴
「突貫紀行」
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・・・その士気の凜然として、私に屈せず公に枉げず、私徳私権、公徳公権、内に脩まりて外に発し、内国の秩序、斉然巍然として、その余光を四方に燿かすも決して偶然にあらず。我輩は、我が政治社会の徳義をして先ず英国の如くならしめ、然る後に実際の政事政談に及・・・
福沢諭吉
「日本男子論」