・・・のオペラでもバレーでも同じように合唱団=集団の統制を、こういう自主性をもって扱われることだと思っていたのだ。「蹴球選手」は、反対のことを我々に知らせた。「ゴトブ」の幹部連は、ブルジョア舞台芸術の個人主義、個人偏重からなかなかぬけられない・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・という大きなはり紙をした二階の手摺のところへ、新聞社写真班のために、わざわざ並んだ幹部たちの写真を眺めいるのであった。〔一九三四年十月〕 宮本百合子 「電車の見えない電車通り」
・・・ 訊いて見たら学校はまだ建っていないがゴルロフカ炭坑に働いている専門技術家が教師となり、半年、一年、二年とそれぞれ程度の違う技術教育を行い、プロレタリアの幹部、指導者を養成しているのだ。 ここで朝鮮、台湾の読者諸君に特別に知らせたいこと・・・ 宮本百合子 「ドン・バス炭坑区の「労働宮」」
・・・それをまるで箇人的に黒島一人ひっぱり出して、おまけに日本刀をこねまわしたなんてことは、幹部派がどんな非マルクシズム的イディオロギーをもってるか、雄弁に語ってる。例え百人の黒島をひっぱって来て百枚脱退声明取消文を書かしたところで、それが彼等の・・・ 宮本百合子 「ニッポン三週間」
・・・「ほかの政党だと、幹部連のえばりかたがちがうから、どこにいたって入ってさえ行けば一目でわかるんですが、どうも共産党の人は……失礼しました」 名刺を出して、頭を下げた。 格別用談もなくてその記者が去り、やがて黒外套の見知らない人も・・・ 宮本百合子 「風知草」
・・・『牡丹のある家』において「小幹部」「幹部女工の涙」「何を為すべきか」の三篇が一貫して長篇に書かれていたならば、私達は、紡績産業組合における日本では代表的な労働貴族としての女工のタイプと大衆としての女工の階級性とを、もっとはっきりと広い社会的・・・ 宮本百合子 「二つの場合」
・・・それは、どうしてプロレタリア文学運動の中では、一例をあげれば職場でのストライキが高潮に達した時にあぶなっかしい幹部として監視をつけられたというような話のある人や、左翼の政治的活動から自発的に後退の形をとってきたような人が、組合にいたとか、組・・・ 宮本百合子 「冬を越す蕾」
・・・の場合も同じだ。彼らが日本プロレタリア作家同盟に合流することを予定して、「文戦」の幹部と階級的闘争を行ったからには、はっきり第二「文戦」打倒同盟として自身を組織し、自己批判すべきだと決議されたのである。 第三次の分裂で、「文戦」には前田・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
出典:青空文庫