・・・ 彼の応仁の大乱は人も知る通り細川勝元と山名宗全とが天下を半分ずつに分けて取って争ったから起ったのだが、その勝元の子が即ち政元だ。家柄ではあり、親父の余威はあり、二度も京都管領になったその政元が魔法修行者だった。政元は生れない前から魔法・・・ 幸田露伴 「魔法修行者」
・・・ 応仁、文明、長享、延徳を歴て、今は明応の二年十二月の初である。此頃は上は大将軍や管領から、下は庶民に至るまで、哀れな鳥や獣となったものが何程有ったことだったろう。 此処は当時明や朝鮮や南海との公然または秘密の交通貿易の要衝で大富有・・・ 幸田露伴 「雪たたき」
この問題を考えるには、まず応仁の乱あたりから始めるべきだと思うが、この乱の時のヨーロッパを考えると、レオナルド・ダ・ヴィンチは二十歳前後の青年であったし、エラスムス、マキアヴェリ、ミケランジェロなどはようやくこの乱の間に生まれたのであ・・・ 和辻哲郎 「埋もれた日本」
出典:青空文庫