・・・吾々は、ブルジョア的平和主義者や、日和見主義者に変ることなく、吾々が階級社会に住んでいること、階級闘争と支配階級の権力の打倒との外には、それからの如何なる遁れ路もないし、またあり得ないことを忘れてはならぬ。吾々のスローガンはこうでなければな・・・ 黒島伝治 「入営する青年たちは何をなすべきか」
・・・「はい。打倒のために書いたのでございませぬ。ごぞんじでしょうか。憤怒こそ愛の極点。」「いかって、とくした人ないと古老のことばにもある。じたばた十年、二十年あがいて、古老のシンプリシティの網の中。はははは。そうして、ふり仮名つけたのは・・・ 太宰治 「創生記」
・・・ドイツの国民性を解剖し、ワイマール共和国の功罪を論じ、一知識人の日記の形でナチス運動の発展のあとをたどり、ナチス以外のドイツが、ヒトラー打倒のためにどうたたかっているかを訴えた。「野蛮人の学校」では、ナチス治下の教育が、どんなにドイツの少年・・・ 宮本百合子 「明日の知性」
・・・男はすべていがぐり、女のパーマネントは打倒。そして私たちは戦争に追いたてられ、今日のギセイとなっている。 ブルジョア民主主義の進んだ国ではそれぞれの人が自分の能力とこのみに従って、どんななりをしようとも、好きなものを着て個性を発揮してい・・・ 宮本百合子 「衣服と婦人の生活」
・・・それは田舎の中学生のような空虚な亢奮した文体で書かれ、資本家財閥の打倒! 生産の国家管理! 階級なき新日本の創設! などとスローガンが並べられ、人民を武装蜂起に挑発している。 スローガンだけあるが、生産を国家管理にするといっても、それは・・・ 宮本百合子 「刻々」
・・・人民生活の収奪のひどさに苦しむ一般の感情に乗じて、きょうの日本のファシストは左からぐるっと右へまわった愛国主義の鼓舞、民族主義、内閣打倒を思っている。 丹羽文雄氏は、作家として戦争に反対する立場を社会に向って明らかにした。したがって作家・・・ 宮本百合子 「作家は戦争挑発とたたかう」
・・・ だが数日のうちに組織の名称を第二「文戦」打倒同盟と変えた。彼らは、日本の階級闘争の現実とハリコフ会議で行われた国際的批判とによって、いわゆる「文戦派」のファッショ化が、どんな階級的裏切りであるか、自己瞞着しきれなくなって来た。「ナップ・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
答 ナップでは加盟させます。 文戦を脱退した人は、第一次の脱退の場合も最近の第二次の場合にも、すぐ文戦打倒同盟というものを自主的に組織してナップ加盟と同時に、自分たちの階級的立場を明瞭にしてきました。 日本における・・・ 宮本百合子 「文戦脱退はなぜすぐナップに加入出来るのか?」
出典:青空文庫