・・・沼南と仕事を侶にした提携者や門下生的関係ある昵近者さえが「復たユックリ来給え」で碌々用談も済まない中に撃退されてブツクサいうのは珍らしくなかった。 尤も沼南は極めて多忙で、地方の有志者などが頻繁に出入していたから、我々閑人にユックリ坐り・・・ 内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
・・・には、労働者と農民の提携のほう芽が、文学的に取扱われている。その点においては、これは最初の試みがなされているということが出来る。平林たい子、金子洋文にも、それ/″\信州、秋田の農民を描いて、は握のたしかさを示したものがある。死んだ山本勝治に・・・ 黒島伝治 「農民文学の問題」
・・・つまりあの党の本質上、決して、心から提携する感情はないのですから、自分のイニシアをよこからさらわれた形になったらよくないでしょう念のために。 更に 加藤さんは、云わば「アメリカ面での日本婦人代表」めいた存在です。社交的に いかに・・・ 宮本百合子 「往復帖」
・・・ 国内における文化統制の具体化は、国際文化振興会の成立以前、既に前年松本学氏が警保局長であった当時、故直木三十五氏や三上於菟吉、佐藤春夫、吉川英治諸氏と提携して「文芸院」設立を目論んだ時から端を発している。当時、既に正宗白鳥氏その他が現・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
出典:青空文庫