・・・婦人少年局ができて婦人と小さい人の全生活に関する調査や提案を政府に向ってすることになりました。経済難と子供の生命の問題は婦人局にとっても基本的な問題だと思います。国家が社会施設として育児院、産院、託児所を設けなければならないということは、寿・・・ 宮本百合子 「“生れた権利”をうばうな」
・・・に名をつらね、作家そのものの道に立って平和を守ろうとする川端康成の提案を支持してもいるのである。 高見順との対談で丸山真男が「物質的な面ではそうですけれども社会的な価値とか、役割とかではやはりアウト・ロウ的でしょう」と云い、高見順がそれ・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・ この間きいた実際の話で、或る小学校長が毎朝子供達に体操をさせるとき、忠孝、忠孝というかけ声をかけさせようかと提案して、居合せた人々を暫し呆然とさせたということがあった。 忠ということ孝ということ、それは健全である。だからと云って号・・・ 宮本百合子 「今日の生活と文化の問題」
・・・を目あてにして書いたような過去の「私小説」をやめ、大いに社会性のある、大衆にとっても面白い小説を書かねばならないという意見が出されている。林房雄氏はその具体案として「大人の文学」を提案し、真面目な作家は現代の官吏、軍人、実業家の中心問題とす・・・ 宮本百合子 「今日の文学の鳥瞰図」
・・・プロレタリア文学の理論、創作方法の問題などが、若干直訳的であったことや、例えば弁証法的創作方法という提案の中には、世界観と創作方法との二つの問題が混同し同時的に提出されていたために、創作の現実にあたって作家を或る困惑に導いたような事実は、当・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
・・・しかし、その話をきいたとき、わたしは、それは面白い話題のつかみかただと思った。提案者の意企は、どういうところにあったか知らないけれども、今日の日本の現実と向い合ってこのテーマが出て来るからには、まさか、婦人の参政権に伴って、婦人の日常性の中・・・ 宮本百合子 「逆立ちの公・私」
・・・福沢諭吉が提案した明治年代の日本における資本主義興隆期にはそれを行わず、半封建憲法・民法で押してきた。その結果、わたしたちの日常生活のあらゆる面と感情とが、古きものへのたたかいと同じ刹那に、帝国主義末期の現象であるさまざまの矛盾と衝突し、そ・・・ 宮本百合子 「作家の経験」
・・・或る人は真の芸術を理解させるようにしなければならぬという対策を提案し、或る人はレビュー劇場が商売とは云いながらすこしは宣伝に公徳心を加味して欲しいと要求しておられる。 これ等の記事を読んで私は、教育家が或る程度固定した頭で現実に対する処・・・ 宮本百合子 「昨今の話題を」
・・・勤労人民の政治的文化的発言の一つのかたちとして、ファシズムとたたかう日常の方法として、職場、学校サークル内に通信員活動を提案したことはただふん囲気だけあるおしゃべりだったろうか。わたしの講演をきいて入党したといっているひとが世田ヶ谷のある細・・・ 宮本百合子 「事実にたって」
・・・当時の日本の文学界の心理は、この文学の新しい課題をその歴史的な背景の全部に触れて理解しようとするよりも先きに、先ずこの新しい提案の中から当時の気分にふさわしいと思われる条件だけを好みに応じた説明法で取り入れた。その中心的な箇条の一つは、知識・・・ 宮本百合子 「昭和の十四年間」
出典:青空文庫