・・・ ラップはこういう問題を提起したのであった。 文学の組織的生産の問題 五ヵ年計画第二年目にラップ内で提起されたこの問題は非常に一般の注意をひいた。 ソヴェトでこのとき云われた文学の組織的生産という意味は、偶・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・プロレタリア文学運動の初期に、芸術と政治・政治の優位性が提起された時代には、政治の優位性の素朴な理解は、直接その論を主張した人々の実践に反映してよい結果も悪い結果もその人たちによって刈りとられた。けれどもこんにち、政党、組合その他の大衆団体・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・経験は、人間生活における一つの問題提起として作家にとり上げられるというよりも、むしろそれは、その経験が終ったところで作品のテーマの展開も終ってしまう話として語られている傾きがつよくはないだろうか。すべての経験が経験されたあとに、わたしたちの・・・ 宮本百合子 「作品と生活のこと」
・・・ こういう惨澹たる日本の現実は、十何年かの昔、日本文学の発展途上に提起されていたいくつかの重要な課題について、その後今日まで、一度もまともにとりあげ話しあう折を与えずにきた。研究し、討議され、なっとくを深める機会を得ずにきている。日本の・・・ 宮本百合子 「作家の経験」
・・・ 第一次五ヵ年計画のおおうべくもない達成、ひきつづき発表された第二次五ヵ年計画の基本的方針とともに、ソヴェト同盟がプロレタリア文学運動の領域において、社会主義的リアリズムの問題を国際的に提起したことはわれわれにとって実に興味あ・・・ 宮本百合子 「社会主義リアリズムの問題について」
・・・ 創作方法における社会主義的リアリズムの問題が提起されてから、確にプロレタリア文学の社会的包括力はひろげられ豊富にされた。さまざまな段階のさまざまな作家がそれぞれの方法で現実をとらえ、それぞれの形式で芸術化す可能が増大した。これは、一つ・・・ 宮本百合子 「近頃の感想」
・・・が提起しているばかりではない。アメリカでも、ドイツでもソヴェト同盟でもプロレタリア文化・文学活動に従うものの間に国際的な共通な問題となっている。 こういう問題が起るごとに、民主主義作家や反動作家は口を揃えて悪口をいって来た。日本のプロレ・・・ 宮本百合子 「プロレタリア文学における国際的主題について」
・・・組織活動と創作活動との統一の問題も紙数がたりなかったためか、その問題の提起者であり解決者であるサークル活動の具体性、サークル活動は何を作家に与えるかという実際問題まで切り下げていない。亀井は書いている。「われわれは政治理論の究明やブルジョア・・・ 宮本百合子 「文学に関する感想」
・・・ 社会主義的リアリズムの問題の提起は、我が国左翼文学理論に実質上大なる前進を可能ならしめた。蔵原惟人、この著の筆者などの諸論中に、方向においては正しく而も哲学と芸術との特殊性における分別においては明徹を欠いて示されていた世界観と創作方法・・・ 宮本百合子 「『文芸評論』出版について」
・・・サークル活動が種々の問題を提起しているし、民主主義文学の成長の基盤が漠然と人民的とか労働者生活とかいわれている折から、世界の民主主義文学が歴史的な発展の足がかりとしてきた通信員の問題について特にみなさんの研究を求めたいと思っています。〔一九・・・ 宮本百合子 「平和運動と文学者」
出典:青空文庫