・・・民法は、事情によって父親が受ける月給の半額までの扶助料を子供が十八歳になる迄支払う義務を決定している。 万一、男が更に非ソヴェト市民的で、扶助料支払いをいやがり、行衛をくらました時、例えばターニャはどうするか。彼女ひとりの収入ではとても・・・ 宮本百合子 「子供・子供・子供のモスクワ」
・・・そして、われわれ日本の読者の悲劇は、ヨーロッパ現代文学の中でも、歴史様相に対して最も猜疑心の深い動機にたつ作品が、このんで紹介され、高い翻訳料を支払うために熱心に広告されるということである。 現代文学の中には、まともに、野暮にくい下って・・・ 宮本百合子 「「下じき」の問題」
・・・一八八五年に行われたモロゾフ工場のストライキの結果、幼少年者の搾取の制限、婦人の夜業禁止、二週間目毎に賃銀を支払うこと、罰金はこれまでのように二十五パーセントとらず賃銀の五パーセントに止めるというような工場法めいたものがきめられたが、工場監・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」
出典:青空文庫