・・・p.278○彼のこの救世主の文書は――暗黒の印象を与える。p.279 笞のようにビザンティンの十字架を手にした極悪な狂信的な中世紀の僧侶、恰もそんな風に彼は政治家、宗教的狂信者としてわれわれに向って来るのである。p.279○口角・・・ 宮本百合子 「ツワイク「三人の巨匠」」
・・・九月〔二〕日にミズリー艦上で降伏文書調印が行われた。十月四日、連合軍総司令部の指令によって、治安維持法の撤廃、政治犯人の釈放、言論、出版、集会の自由が命令された。十月十〔四〕日、宮本が網走刑務所から解放されて東京へ帰ってきた。府中刑・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・「そんなら一っそ起請文書いて小指を切ろうかしら」「それもいいやろ、けど笑われるワナ、そなような事したら御座敷に出て笑われるやろキット……」「はく情な事でもどうせそんな事しないからいいけど……。一寸会っただけでどうしてこんなに仲よくなったのか・・・ 宮本百合子 「ひな勇はん」
・・・この文章は、当日の出席者である書記長、文化部、文学グループへ提出します。この文書に対して再び自己批判がないとか、ごうまんであるとかいう意見があるかもしれません。しかし、形式的に長いものにまかれろ式の確信のない自己否定は行いません。わたくしは・・・ 宮本百合子 「文学について」
・・・官僚的な文書なんか私にはかけません」 それから一ヵ月経った或る日、彼はシュミット博士からよばれた。そして、ヴォドピヤーノフのすべての案が政府に承認されたことを伝えられる。そのときシュミット博士は「君の原稿をよみましたよ。正直なところ、気・・・ 宮本百合子 「文学のひろがり」
この頃は「国民文学」という声がいろいろな場面に響いていて、日本文学の明日の姿として或る意味では文書的な性質をもつ方向づけのような印象を与えている。けれども、どういうのが国民文学であるかという点になって来ると、各人各説であっ・・・ 宮本百合子 「平坦ならぬ道」
・・・という文書を、西欧各国政府におくった事実をつたえている。更に、この委員会は「モスクワ・レーニングラード・オデッサ・キエフその他の都市を原子爆弾で破壊すべきである」、「ウクライナとシベリア間数千マイル平方の土地を、ほのおに包まなくてはならない・・・ 宮本百合子 「平和の願いは厳粛である」
出典:青空文庫