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・・・ ――昨夜、かなり時化た。夜中に蚊帳戸から、雨が吹き込んだので硝子戸を閉めた。朝になると、畑で秋の虫がしめた/\と鳴いていた。全く秋々して来た。夏中一つも実らなかった南瓜が、その発育不十分な、他の十分の一もないような小さな葉を、青々と茂・・・
葉山嘉樹
「牢獄の半日」
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・・・男と女とがうちまじって一つ船にのって働いて、もし時化で漂流でもした場合におこって来る複雑な問題も考えて、さけられているというわけなのだろうか。 女は自分では海へ出て働かない。このことから経済も受け身で、働く男のいなくなったときの海辺の女・・・
宮本百合子
「漁村の婦人の生活」