日本の新しい出発にとって意義深い総選挙は、四月十日に行われ、十五日までには全国の成果が知らされた。 前もって数えられていた全国の有権者は三千九百八万九百九十人といわれ、そのうち婦人有権者は二千九十一万七千五百九十三人と・・・ 宮本百合子 「一票の教訓」
・・・婦人たちもある。 選挙という私たちの新しい仕事につれて、婦人は政治をどう考えるかという問題が、目前の事実として段々はっきりして来た。婦人有権者の総数は二千百六十八万人あって、その数は男子有権者よりも四十五万名多い。婦人は自覚、向上して、・・・ 宮本百合子 「現実に立って」
・・・しかし、これらの名簿から消されながら生きているアメリカの、現実の有権者たちは、いくらかでもましな社会をのぞみ、そのためにましと思える候補者に投票した。 ダイジェストが失敗した一九三六年時代の世論調査では、ギャラップ博士の調査所が正確であ・・・ 宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
いよいよ、四月十日も迫って参りました。私たち二千九十一万余人の婦人有権者は、生れてはじめて、自分たちの政治のために、一票を投じる日を迎えることとなりました。 婦人ばかりでなく、男の方たちにしろ、今度の選挙に対しては、こ・・・ 宮本百合子 「幸福のために」
・・・ 一年間の最も雄弁な教訓は、これ等の婦人代議士が女は女の生活をよく知っているということを、選挙演説の中心においてたたかい、婦人有権者も女は女へと思って、そこに希望をかけて投票したことが、まったく無意味であったということです。 婦人代・・・ 宮本百合子 「今度の選挙と婦人」
・・・全有権者は、この生々しい不安と手にわたされた選挙場への入場票を見くらべて、深い思いにうたれるのである。 中年の家庭婦人は、政治に関心をもつひまさえ無い、といわれた。その暇さえ無いという今日の私たちの食生活の事情、嫁姑の問題などこそ、その・・・ 宮本百合子 「婦人の一票」
・・・ 幸福は誰の手によって さて総選挙は来る四月十日と公表された。有権者総数は三九、〇八〇、九九〇人である。今年はじめて登場した婦人有権者は二〇、九一七、五九三名であり、その残りの一八、一六三、三九七名が男子有権者・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫