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・・・未成年者として服すべき義務、受けるべき練成が、その対象としてあらわれていると思う。 家庭の中で、たとえて云えば妹が冗談に、あら、お兄さん、いいの? かけて――学生のくせに、と椅子の不足しているとき兄を睨む気軽さ愛らしさは、そのものとして・・・
宮本百合子
「家庭と学生」
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・・・妨害を行った二人の被告が、検事から「罰として労役に服すか、ヴォルテールの言葉を一人は五百遍、一人は三百遍書きうつすか」ときかれて、ヴォルテールの言葉を写す方を選んだエピソードも生れた。彼等が幾百ぺんかかきうつしたヴォルテールの言葉というのは・・・
宮本百合子
「現代史の蝶つがい」