・・・最近極東委員会で日本の労働運動に関する決定十六項が発表された。その中には、日本の民主化のために骨髄的諸項――たとえば労働組合の政治活動の自由・政党支持の自由・組合員であるからといって不当なとり扱いを蒙ることはないし、検挙をうけたりすることも・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・ 例えば一九二九年、東支鉄道問題が起って、極東特派赤軍が、中国とソヴェトとの国境へ送られた。 赤軍は戦った。同時に占領した中国の村落へ、すぐ社会主義的な規律と文化とを移植した。彼等は、村の住民がすてて逃げた家々を掠奪から守り、農民が・・・ 宮本百合子 「ソヴェト文壇の現状」
・・・ そしてシベリア、極東地方へ!〔一九三二年十一月〕 宮本百合子 「ドン・バス炭坑区の「労働宮」」
・・・だといわれたにしろ、シムボルというものはそれによって象徴される実体があることの証拠です。極東裁判によって天皇が戦争に責任ないということを決められました。これにはずいぶんみんなが驚きました。そして反語的にいえば悲しみました。それほど一人の人間・・・ 宮本百合子 「ファシズムは生きている」
・・・戦争が済んでからもう三年たち四年目になりつつありますが、その年の終りに極東裁判が終結しまして、そうして七人の首謀者達は処刑されました。一応それでもう日本のいままでの十数年間続いていた暗い、重い、人間らしくない、私どもの命も生活も文化も自分た・・・ 宮本百合子 「平和運動と文学者」
・・・ きのうなどでも、有田外相の答弁には、英国の極東支店長みたいなことをいうナとか、駐日公使! とかいう彌次が盛んにとんだ。辛辣のようだけれども、本当の心持で日本の対外関係を案じている傍聴人の耳に、そういう彌次の濫発が果して頼もしい代議士連・・・ 宮本百合子 「待呆け議会風景」
・・・だの紙きれとしてしまおうとしている者たち、軍備の廃止のために協力するどころか、すでにおそるべき結果を生み出している軍事同盟政策に熱中して、西ドイツに、もとのヒットラーの突撃隊員をふくむ師団をつくった、極東の平和を名目として日本の再軍備をしよ・・・ 宮本百合子 「わたしたちには選ぶ権利がある」
出典:青空文庫