・・・ そうして、仕事にかけては機敏で実際的で、明敏でさえあるアグネスが「再び反抗して立ち上って」結婚というものを否定しはじめると、これは又何と痴鈍に頑固に、非現実的に偏執的になるのであろう! この点では殆どすべての読者をおどろかすものがある・・・ 宮本百合子 「中国に於ける二人のアメリカ婦人」
・・・それだのに、何故討論は現在のわれわれが獲得した事実として存在する民主主義文学運動の所産を、全面的に先進的階級のために生かして使う機敏で闘争的なプランについての発言がなかったのでしょう。この面は、プロレタリア文学の遺産の継承に関する討論と等し・・・ 宮本百合子 「討論に即しての感想」
・・・このシュールダンというは機敏な奴で一代の中に大分の金を余した男である。 皿の後に皿が出て、平らげられて、持ち去られてまた後の皿が来る、黄色な苹果酒の壺が出る。人々は互いに今日の売買の事、もうけの事などを話し合っている。彼らはまた穀類の出・・・ 著:モーパッサン ギ・ド 訳:国木田独歩 「糸くず」
出典:青空文庫