・・・ 又 古人は民衆を愚にすることを治国の大道に数えていた。丁度まだこの上にも愚にすることの出来るように。――或は又どうかすれば賢にでもすることの出来るように。 チエホフの言葉 チエホフはその手記の中に男・・・ 芥川竜之介 「侏儒の言葉」
・・・ 勝負事を否定するかと思うと、双六の上手の言葉を引いて修身治国の道を説いたり、ばくち打の秘訣を引いて物事には機会と汐時を見るべきを教えている。この他にも賭事や勝負に関する記事のあるところを見ると著者自身かなりの体験があったことが想像され・・・ 寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
・・・世の士君子、もしこの順席を錯て、他に治国の法を求めなば、時日を経るにしたがい、意外の故障を生じ、不得止して悪政を施すの場合に迫り、民庶もまた不得止して廉恥を忘るるの風俗に陥り、上下ともに失望して、ついには一国の独立もできざるにいたるべし。古・・・ 福沢諭吉 「学校の説」
出典:青空文庫