あさじう【浅茅生】
浅茅の生えている所。あさじはら。あさじ。「いとどしく虫の音 (ね) しげき—に露おきそふる雲の上人」〈源・桐壺〉
あさじうの【浅茅生の】
[枕]浅茅の生えている野の意から「小野 (をの) 」にかかる。「—小野の篠原 (しのはら) 忍ぶれど余りてなどか人の恋しき」〈後撰・恋一〉
あさじうのやど【浅茅生の宿】
浅茅が一面に生えて、荒れ果てた住まい。あさじがやど。「雲のうへも涙にくるる秋の月いかですむらむ—」〈源・桐壺〉
あさじがはら【浅茅が原】
浅茅の生えた野原。荒れ果てた野原。あさじはら。「かかる—を移ろひ給はでは侍りなんや」〈源・蓬生〉 [補説]地名別項。→浅茅ヶ原
あさじがやど【浅茅が宿】
「あさじうのやど」に同じ。「—に昔をしのぶこそ、色好むとは言はめ」〈徒然・一三七〉
あさじはら【浅茅原】
[名]「あさじがはら」に同じ。「—かり標 (しめ) さして」〈万・二七五五〉 [枕] 1 「小野 (をの) 」「茅生 (ちふ) 」にかかる。「—小野に標結ひ」〈万・二四六六〉 「—茅生に足蹈 (ふ) み」〈万・三〇五七〉 2 「茅」は古く「つ」とも言ったところから「つばらつばら」にかかる。「—つばらつばらにもの思へば」〈万・三三三〉