うかれお【浮(か)れ男】
美しいものや異性などにひかれて、浮かれ歩く男。うかれおとこ。「今仲の町で—に睨付 (にらみつ) けられる烏も」〈美妙・武蔵野〉
うかれがらす【浮かれ烏】
1 月に浮かれて、ねぐらに帰るのも忘れ、鳴き騒ぐ烏。浮気烏。「月さえて山は梢の静けきに—の夜ただ鳴くらむ」〈新撰六帖・六〉 2 夜、浮かれ歩く人。遊客。浮気烏。「冷てえ風もほろ酔ひに、心持ちよくうかうかと、—のただ一羽」〈伎・三人吉三〉
うかれごころ【浮(か)れ心】
落ち着かない気持ち。特に、陽気に浮き立った気持ち。「詩でも吟じたいような—になって」〈花袋・妻〉
うかれどり【浮かれ鳥】
1 まだ夜が明けないのに、浮き立つように鳴く鶏。「なぞもかく人の心の—別れもよほす声をたつらん」〈万代・恋三〉 2 夜、ねぐらを離れて、浮かれ歩く鳥。「月は出でてもうば玉のよるべ定めぬ—」〈謡・藤〉
うかれびと【浮(か)れ人】
1 美しいものや異性などに心をひかれて、浮かれ歩く人。「—を花に送る京の汽車は」〈漱石・虞美人草〉 2 古代、本籍地を離れ、他郷に流浪する者。浮浪人。「汝は—なり。なんぞ調 (つき) を輸 (いだ) さざる」〈霊異記・下〉
うかれびょうし【浮(か)れ拍子】
心を浮き立たせるような三味線などの弾き方。また、そのような調子。浮き拍子。浮かれ調子。
うかれぶし【浮(か)れ節】
1 三味線に合わせてうたう通俗的な歌。 2 浪花節 (なにわぶし) の関西での旧称。
うかれめ【浮(か)れ女】
歌や舞をして人を楽しませ、また売春もする女。遊女。娼妓 (しょうぎ) 。あそびめ。「—に手練あるは当然にて」〈逍遥・当世書生気質〉
うかれもの【浮(か)れ者】
家にじっとしていないで、遊び歩いてばかりいる者。道楽者。