・・・ 尤もこういう研究が仮に出来上がったとしたところで多くの歌人には何の興味もない事ではあるかも知れないが、しかし歌人にして同時に科学者であるような人にとっては少なくも消閑の仕事としてこんな事をつついてみるのも存外面白いかも知れない。 ・・・ 寺田寅彦 「歌の口調」
・・・ことも合奏することも、決してあだな娯楽や消閑の一相ではなくて、実は並みならぬ修行であり鍛錬であることがわかって来るのである。 トリオやカルテットぐらいならば別に指揮者を必要としないが、少し楽器が多くなって管弦楽の形をとるようになれば、も・・・ 寺田寅彦 「連句雑俎」
・・・「人間というものは、だんだん部分品になってゆくものだから、部分品が全部噛み合わさった状態における人間というようなことを考えるのは大へんな難事業ですから、部分品としての消閑慰安の具となれば、それだけで社会的使命を果すという考えかたが非常にある・・・ 宮本百合子 「「下じき」の問題」
出典:青空文庫