・・・ このごろまた雑誌や演説で、ひどく青年は呼びかけられているし、激励されているし、期待するところ大なりとされているのであるが、あのときの青年論とこの頃の青年へのよびかけには、どこかちがったところがある。 何故なら、三四年前青年の人生へ・・・ 宮本百合子 「生活者としての成長」
・・・第二次大戦中の十月記念日に、メーデーに、スターリンがおくった激励の挨拶の、あの人間らしい暖かい具体性、肺腑にしみ入って人々にソヴェト市民たる価値と歓喜とを自覚させるあの雄勁なリズムは、ソヴェト市民が、誇りとするにたりない詩であるだろうか。雄・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・同志小林の功績は、実にプロレタリア文学運動におけるその如き党派性、その如き科学性の確立のために、決議の作成へまで発展的にしかも飽くまで厳密にわれわれを批判し、鼓舞激励したところにこそあるのである。 貴司は『改造』四月号の「人及び作家とし・・・ 宮本百合子 「前進のために」
・・・しての本質を理解し得ない働く人が、題材からだけみて、その世界は私たちの世界でない、と否定することまでしかできない場合、批評家がそのままその意見に追随して、だから働くものの文学は働くものの手で、と外から激励するだけでも、労働者階級の文学が育っ・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・ 無数の青年が無垢純一な心を、欺瞞によって刺戟激励され、欺瞞に立った目的のためにすてさせられた。そのことと、作家小林多喜二が、そのように無惨な特攻隊を考え出すような非人間な権力の重圧からインテリゲンツィアをこめる日本の全人民を解放しよう・・・ 宮本百合子 「誰のために」
・・・先生は、人生の練達者であられたから、恐らく様々な複雑困難な、日本の社会では特に女にとって面倒な将来の永い路を見とおされて、大乗的激励を与えて下さったのであったろうと思う。 それから、案の定私のところには生活のいろいろな大小の濤がおこり、・・・ 宮本百合子 「坪内先生について」
・・・このプロレタリア文学の鋭い進展を思って、無限の鼓舞と激励を感じるのは決して筆者一人ではないであろう。 支配階級があらゆる反動文化機関を動員して、プロレタリアートの前衛についてデマゴギーを撒きちらしつつあるとき、この「党生活者」は、よくそ・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価によせて」
・・・指導のたちおくれというならば、さまざまの部署にある民主的文化・文学の活動家が、自身の活動における以上のような機能の重要性を十分自覚するように激励していないか、さもなければ、そのようにいきいきと機能を発揮するまで文化・文学全野の状況と個々の作・・・ 宮本百合子 「討論に即しての感想」
・・・から叫ばれるスターリンの激励演説とそれに応える数百万の勤労者の歓呼の声が轟くであろう。 諸君。われわれにもその確信と闘争に満ちたソヴェト同盟のプロレタリアの叫びが聴えるようではないか。よしゴルロフカ「労働宮」はまだわれわれのところに無い・・・ 宮本百合子 「ドン・バス炭坑区の「労働宮」」
・・・後者は自己を鼓舞し激励するとともに、多くの悩み疲れた同胞を鼓舞し激励します。 あなたに愚痴をこぼしたあとでこんな事をいうのは少しおかしいかも知れません。しかし私はあなたに愚痴をこぼしている内に自然こういう事を言いたい気持ちになって来たの・・・ 和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
出典:青空文庫