・・・大きいクラブがあって夜そこで農場員と一緒に無料映画を見物した思い出は忘られぬ。農場の広っぱに国立出版所の赤い星で飾った売店があって、本や雑誌をうっている。 働くばかりではない。文化も高まって来るのがソヴェト同盟の農民の生活である。私は、・・・ 宮本百合子 「今にわれらも」
・・・そういう経験をもっていて労働者農民の国ソヴェト同盟の暮しを見たのだから、プロレタリアートの国ソヴェト同盟では、国庫全額負担の失業手当があり、養老保険があり、小学校から大学まで労働者にとっては無料であると語る時、なみなみでない情熱が感じられ、・・・ 宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
・・・一年間フローレンスのヴィラ・ロマナに無料で滞在することのできる賞であった。この連作の題材は、ドイツの農民が、動物のような扱いをうける生活に耐えかねて十六世紀に各地で叛乱をおこし多くの犠牲を出した、その悲劇からとられた。 このルネッサンス・・・ 宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
・・・二篇とも、ストレプトマイシンが無料で闘病者のベッドに訪れて来る日を待っているのは、心をうたれる。ストレプトマイシンが療養所でつかわれる日を「何日かは春に」と待っているひとは、日本じゅうに、どれほどいるだろう。 「可哀そうな権力者」ひと・・・ 宮本百合子 「『健康会議』創作選評」
・・・が根本的に守られていれば、自分の能力を良心的に十分働かせてゆけば、その社会から働いているものという意味で、養老保険も失業保険も健康に対する保険も、母性保護のいろいろな設備、つまり村の産院、工場のなかの無料産院のような母性保護も十分に行われる・・・ 宮本百合子 「幸福の建設」
・・・或るところは無料で、或るところは親の収入に準じた実費で七歳までの子供を保護し、食事、沐浴、初等の社会的訓練を与えてくれるのである。乳児のある母には三時間毎に授乳時間を与えられる。朝子供をつれて出勤し、退け時まで、女医と保姆の手もとにある子に・・・ 宮本百合子 「子供・子供・子供のモスクワ」
・・・十六・六カペイキコルシュ劇場 一ルーブル十一カペイキオペラ 一ルーブル二十四カペイキ メーデーの翌日、モスクワじゅうの劇場は全職業組合の無料観劇日だ。しかし「大体云ってソヴェト・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
今日、東京朝日新聞を見たら、フトこういう記事に目がとまりました。近く市が建設する理想的な無料産院 貧しい人々の間に差しのべる温かい救いの施設 これは耳よりな話だ。そう思って読んで見ると、その無料産院とい・・・ 宮本百合子 「「市の無料産院」と「身の上相談」」
・・・ホテルに室がなかったり費用がかかりすぎる場合、静かに簡単な何日かの滞在をするため、事情によっては無料でその「学者の家」を利用する便利を与えられている。 まして外国人である場合、「学者」という定義の解釈が四通八達である実例は、女監督エレー・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・何故なら、勤労婦人の現実の生活を身軽に、幸福にする各区の無料病院、託児所、診療所、母子健康相談所、共同食堂の経営などは、みんな市ソヴェトの保健部の仕事と関係があります。 ソヴェト政権は、勤労婦人に出産前後四ヵ月の給料つき休暇と、月給の半・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の婦人と選挙」
出典:青空文庫