・・・かつかくの如く縦横無礙に勝手気儘に描いていても、根柢には多年の研鑽工風があったので、決して初めから出鱈目に描きなぐって達者になったのではなかった。椿岳の画家生活 椿岳の画を学ぶや売るためでなかった。画家の交際をしていても画家と称され・・・ 内田魯庵 「淡島椿岳」
・・・お茶の席に於いて大いなるへまを演じ、先生に叱咤せられたりなどする事のないように、細心に独習研鑽して置かなければならぬ。 まず招待を受けた時には、すぐさま招待の御礼を言上しなければならぬ。これは、会主のお宅へ参上してお礼を申し上げるのが本・・・ 太宰治 「不審庵」
・・・そういう作品に即した根気づよい研鑽こそ階級人として創作するその動機、主題、手法の統一について、真剣な現実追求を作家に要求する。そして一人の作家を、成長させる。 トルストイが「アンナ・カレーニナ」を書いていたとき、家出をしているアンナが、・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
出典:青空文庫