・・・の四字を冠しただけで満足しているような文壇社会党乃至文壇共産党の文学も、文壇進歩党の既成スタイルを打ち破るだけの新しいスタイルを生み出す努力をしなければ、いいかえれば作品の上で文壇進歩党に帽子を脱がすほどの新しさを生み出さねば、結局は文学運・・・ 織田作之助 「土足のままの文学」
・・・私は社会党の右派でも左派でもなければ、共産党員でもない。芸術家というものだ。覚えて置き給え。不潔なごまかしが、何よりもきらいなんだ。どだい、あなたは、なめていやがる。そんな当りさわりの無い、いい加減な事を言って、所謂民衆をなだめ、納得させる・・・ 太宰治 「家庭の幸福」
・・・進歩党も社会党も、どうだっていいんだ。われわれ百姓は田を作り、畑を耕やしていたら、それでいいのだ」 私は、はじめ、なぜ彼が突如としてこんな妙な事を言い出したのか、わけがわからなかった。けれども、次の言葉で、真意が判明し苦笑した。「し・・・ 太宰治 「親友交歓」
・・・それですから、ことしの四月の総選挙も、民主主義とか何とか言って騒ぎ立てても、私には一向にその人たちを信用する気が起らず、自由党、進歩党は相変らずの古くさい人たちばかりのようでまるで問題にならず、また社会党、共産党は、いやに調子づいてはしゃい・・・ 太宰治 「トカトントン」
・・・歴史は繰り返すなんて、どだい、あれは、君、弁証法を知らんよ、なんてね、僕もこれは一つ、社会党へでもはいって出世をしようかな。つまらない。飲もう! 飲んで鬱を晴らそう。汝、無力なる国民学校教師よ。二人、小さい食卓をはさんであぐらを・・・ 太宰治 「春の枯葉」
・・・まさかとおもい、どうやらこれならとおもって一票を入れた社会党、民主党、民自党、びっくりばこのようにそのふたがはねあがったら昭和電工、相つぐ涜職事件で日本の民主化は、瓦石をかぶった。ゆうべ、花束をもって国会を訪問した全逓の婦人たちの話が放送さ・・・ 宮本百合子 「新しい潮」
・・・きたるべき選挙に今日の政府は勝算をもっているかもしれない、それだから組閣のはじめに用心深くさまざまの疑獄事件にひっかかりそうな閣僚をさけました。社会党のくされぐあいがあんまりひどかったおかげで吉田内閣にそれよりはましな人のあつまりのような利・・・ 宮本百合子 「泉山問題について」
・・・自由党 一三六名 五名 計 一四一名進歩党 八七名 六名 九三名社会党 八四名 八名 九二名協同党 一四名 ナシ 一四名共産党 四名 一名 五名諸派 二九名 一〇・・・ 宮本百合子 「一票の教訓」
・・・日本の民衆が、永年の間逆宣伝によって現在でもどうやら恐ろしいもののように思いこまされている共産党をさけ、同時に従来の特権勢力の溜りである自由党もさけて、せめても、を心だのみに投票して政権を与えた日本社会党は、あのような醜状をさらして、どんな・・・ 宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
・・・ 最近分裂して国家社会党を結成した赤松のことは関心をひき、自分は、「今度の事件にでもですか?」と、ききかえした。「サア、そこいらのところは分らんですがね。総同盟系が何しろ五万というからね」 煙草をプカリ、プカリと吹き、・・・ 宮本百合子 「刻々」
出典:青空文庫