窈然(ようぜん)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・しまいには遠き未来の世を眼前に引き出したるように窈然たる空の中にとりとめのつかぬ鳶色の影が残る。その時この鳶色の奥にぽたりぽたりと鈍き光りが滴るように見え初める。三層四層五層共に瓦斯を点じたのである。余は桜の杖をついて下宿の方へ帰る。帰る時・・・
夏目漱石
「カーライル博物館」
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・・・と叫ぶ声が石せきちょうに響を反して、窈然と遠く鳴る木枯の如く伝わる。やがて河に臨む水門を、天にひびけと、錆びたる鉄鎖に軋らせて開く音がする。室の中なる人々は顔と顔を見合わす。只事ではない。 五 舟「かぶとに巻ける絹の・・・
夏目漱石
「薤露行」
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