・・・今日は洗い髪の櫛巻で、節米の鼠縞の着物に、唐繻子と更紗縮緬の昼夜帯、羽織が藍納戸の薩摩筋のお召という飾し込みで、宿の女中が菎蒻島あたりと見たのも無理ではない。「馬鹿に今日は美しいんだね」と金之助はジロジロ女の身装を見やりながら、「それに・・・ 小栗風葉 「深川女房」
・・・ 米飯ぬきデー 節米、米飯ぬきデーがはじめられる。主婦たちの機智と愛とは一層台所での活躍を求められる。 人間はあらゆる生きものの中で一番何でも食べる能力をもっている。決して悲観に及ばない。けれども、科学的な・・・ 宮本百合子 「女性週評」
・・・「お昼は栄養を考慮したお菜ですが近頃では国策に応じて代用食や節米料理が多いようです」とだけかかれている部分に、実際どんなものが食べられているかということが書かれたらよかったと思います。 生活に対するちゃんとした態度や女らしさというものの・・・ 宮本百合子 「ルポルタージュの読後感」
出典:青空文庫