さいぼうこきゅう【細胞呼吸】
細胞が、外部から取り入れた酸素や酸素以外の酸化剤によって、養分を分解してエネルギーを発生させる現象。内呼吸。組織内呼吸。 [補説]酸素を必要とする好気呼吸と酸素を必要としない嫌気呼吸があり、好気呼吸は解糖系・クエン酸回路・電子伝達系の3段階、嫌気呼吸は解糖系で進行する。
さいぼうしつ【細胞質】
細胞で、核を除いた部分。細胞小器官や顆粒が存在する。
さいぼうしついでん【細胞質遺伝】
細胞質に存在する遺伝因子(核外遺伝子)によって、親の形質が子に伝わること。母性遺伝の一つ。受精の際に精子の細胞質はほとんど失われるため、母親の形質だけが遺伝する。原因となる遺伝子は、細胞核ではなく、ミトコンドリアや葉緑体など細胞質内の小器官に含まれているため、メンデルの法則には従わない。染色体外遺伝。核外遺伝。→非メンデル遺伝
さいぼうしょうきかん【細胞小器官】
細胞内にある、原形質の一部が特殊に分化した構造物の総称。核・ミトコンドリア・小胞体・ゴルジ体など。オルガネラ。細胞内小器官。
さいぼうしん【細胞診】
癌 (がん) 細胞などを発見するため、喀痰 (かくたん) ・胃液などの組織分泌物を顕微鏡で検査して行う診断法。
さいぼうせいめんえき【細胞性免疫】
体内に抗原が入ると、主にT細胞が増殖・活性化されて直接に抗原と特異的に反応する免疫。癌 (がん) 細胞の溶解、臓器移植の拒絶反応など。→液性免疫
さいぼうそしき【細胞組織】
基本単位である小団体の活動によって成員を獲得すると、それをさらに小団体に分けて、しだいに拡大していく組織。
さいぼうないしょうか【細胞内消化】
細胞内に直接食物を取り込んで消化すること。白血球・マクロファージや、アメーバ、海綿動物の変形細胞、腔腸動物の上皮細胞などでみられる。
さいぼうばいよう【細胞培養】
多細胞生物の器官・組織片から分離した細胞を培養液中で増殖させること。組織培養の一種。
さいぼうばいようワクチン【細胞培養ワクチン】
細胞培養によって製造されたワクチン。哺乳動物や昆虫の細胞を使って、ワクチンの製造に必要なウイルスを培養する。大量のワクチンを短期間に製造できるため、インフルエンザの大流行に備えて製造施設の整備が進められている。 [補説]インフルエンザワクチンの製造過程では通常、ウイルスを培養するためにニワトリの有精卵を使うが、インフルエンザの大流行が発生した場合、鶏卵の供給が不足すると、必要なワクチンを早急に製造できない可能性がある。細胞培養法の場合、培養に必要な細胞を凍結保存しておけるため、短期間に大量のワクチンを生産できる。麻疹風疹混合ワクチン、水痘ワクチン、日本脳炎ワクチン、インフルエンザワクチンなどが細胞培養法で製造されている。