・・・つまり、たのみにならぬ男なのだから、義妹や義弟たちから、その家の事に就いて何の相談にもあずからぬのは、実に当然の事であって、また私にしても、そんな甲府の家の財産やら何やらには、さっぱり興味も持てないので、そこはお互いにいい按配の事であった。・・・ 太宰治 「薄明」
・・・その伯父様はいつも、品川の伯父さんと母に呼ばれ、明治三十七年頃から数年間父が外国暮しをしていた間、若い母は子供三人、義妹義弟との生活のなかで、少なからず、「品川の伯父さん」に心だよりを感じていたらしく思われる。 母の父、私たちにとって西・・・ 宮本百合子 「白藤」
・・・夫妻 友人の家 ┌──┐九月│五日│八日 └──┘Policeman Military Police下駄の音電燈カバーの細工汽車の中┌母 登代│義妹 直三の妻つや より└ ・・・ 宮本百合子 「「播州平野」創作メモ」
出典:青空文庫