羽仁五郎氏は、この真心を傾けて執筆された独特な伝記を、有名なダヴィテの像に今日見ることの出来るミケルアンジェロの不滅の生命から語りはじめていられる。「ミケルアンジェロは、いま、生きている。うたがうひとは『ダヴィテ』を見よ。・・・ 宮本百合子 「現代の心をこめて」
・・・ 作家では山本有三氏、歴史家では羽仁五郎氏などが、文化に対する良心から、自身の著作に漢字の制限と仮名使いの単純化を実行して居られる。作家、評論家などの間に比較的この技術上の関心がひろがって行かないのは、それらの人々が自分たちの職業的な習・・・ 宮本百合子 「今日の文章」
・・・ * 面白い本と云えば、羽仁五郎『ミケルアンジェロ』小倉金之助さんの、『家計の数学』山の好きな方に、チンダル『アルプスの旅より』又は『アルプスの氷河』など興味あるでしょうし、女の活動面が新しく展かれてゆく一つ・・・ 宮本百合子 「女性の生活態度」
・・・ ある一つの綜合雑誌の目次を見たら、論説に羽仁五郎、細川嘉六、信夫清三郎、平野義太郎という人々が並んでいるのです。その同じ雑誌にどういう小説家が並んでいるかといえば、永井龍男その他丹羽文雄という工合です。今日の文学が評論界、思想界との間・・・ 宮本百合子 「一九四六年の文壇」
・・・用紙割当のことでは羽仁説子氏の尽力もあった。新聞経営の実際面は、当時、外地からひきあげてきていた数名の専門新聞人が引き受け、婦人の新聞として独自の編輯面をクラブの人々がうけもつという仕組みにされた。つまり、クラブの発起人であった人々は、執筆・・・ 宮本百合子 「その人の四年間」
出典:青空文庫