・・・自分も今日に生きるただの一市民として、良人であり父親である自分の幸多しとはいいようのない日常の思いを、噛みなおすべきであった。職権、或は職業的解釈より前に、一個の具体的人間であるべきであった。そういう風に心が生きて生活にふれていれば――生活・・・ 宮本百合子 「石を投ぐるもの」
・・・「結論的に私が申しあげたいのはわれわれを被告としたあの検事諸君こそまさに公務員法違反であり、職権乱用の非国民である。私はそう思う。なお弁護人諸君に一言申しあげたい。僕は弁護人諸君はただ単に弁護人だけにとどまらず、本当に日本の民主主義をまもり・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・それは獅子文六という方は喜劇を経験したでしょう 〔以下四枚分欠〕 きのうの読売に各地人権擁護委員会に訴えられた人権蹂躙事件の五〇パーセントは警官の職権濫用であった。 きょうの毎日に 去年、五〇パー・・・ 宮本百合子 「東大での話の原稿」
出典:青空文庫