肉太(にくぶと)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・汁粉であるか煮小豆であるか眼前に髣髴する材料もないのに、あの赤い下品な肉太な字を見ると、京都を稲妻の迅かなる閃きのうちに思い出す。同時に――ああ子規は死んでしまった。糸瓜のごとく干枯びて死んでしまった。――提灯はいまだに暗い軒下にぶらぶらし・・・
夏目漱石
「京に着ける夕」
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・・・それは、いかにも大きい板をこしらえたどこかの土木業の誰かが勢こんで筆をふるったという風な文字で、肉太で、べろべろして、ちっとも立派ではなかった。しかし、その大看板が車よせの庇の上で、うららかな冬日を満面にうけているところは、粗野だが真情のあ・・・
宮本百合子
「風知草」
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