・・・そして、その批判が、組合の仕事や日本の国内、国外の社会事情についてより科学的な知識をひろげてゆくにつれて、愛情そのものさえ歴史の脈動とともに性格づけられるものであることが発見されてくる。ただイデオロギーとして社会主義が分ってきたばかりでなく・・・ 宮本百合子 「文学と生活」
・・・をかき得たのは、大なる地の脈動を自身の体のなかにもっているというその内奥の近似が、彼女の人間生活の諸相への愛と理解との根底にあったからだと思う。「イアリング」のようなアメリカ文学としてみれば珍しいリリシズムで貫かれている作品にしろ、フラ・・・ 宮本百合子 「文学の大陸的性格について」
・・・そして、日夜広々とした全世界の脈動に貫かれて生活を向上させ、新しい日本の創設のために努力するようにと、そのアナウンサアの表現は、率直で殆ど激情的でさえあった。いかにも、明暮その仕事に携っている人が、専門家として蒙っていた云うに云えない永年の・・・ 宮本百合子 「みのりを豊かに」
出典:青空文庫