萎れる(しおれる)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・なるほど入院したてには燃えるように枝を飾っていたその葉が一枚も残らず散りつくして、花壇の菊も霜に傷められて、萎れる時でもないのに萎れていた。私はこの寂しさを毎日見せておくだけでもいけないと思った。然し母上の本当の心持はそんな所にはなくって、・・・
有島武郎
「小さき者へ」
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・・・ 男は文吉の顔を見て、草葉が霜に萎れるように、がくりと首を低れた。「ああ。文公か」 九郎右衛門はこれだけ聞いて、手早く懐中から早縄を出して、男を縛った。そして文吉に言った。「もうここは好いから、お茶ノ水の酒井亀之進様のお邸へ往ってく・・・
森鴎外
「護持院原の敵討」
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