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山好きの友人から上高地行を勧められる度に、自動車が通じるようになったら行くつもりだといって遁げていた。その言質をいよいよ受け出さなければならない時節が到来した。昭和九年九月二十九日の早朝新宿駅中央線プラットフォームへ行って・・・
寺田寅彦
「雨の上高地」
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・・・私もちょっと拝借しようと思うのですが、前に述べた意識の連続以外にこんな変挺なものを建立すると、意識の連続以外に何にもないと申した言質に対して申訳が立ちませんから、残念ながらやめに致して、この傾向は意識の内容を構成している一部分すなわち属性と・・・
夏目漱石
「文芸の哲学的基礎」