・・・新しい憲法草案公表のことが、報道された時、私はその事から動かされた自分の感情のうちに、ゴーリキイが自分の生涯の終りに於てこの輝かしい日に遭遇したということを思い合せ、ゴーリキイは出来るだけ生かしておきたい、しかし、もし死んだとしても、彼は歴・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの発展の特質」
・・・ けれ共研究した最後は一つの尊い人間の特別な清い感情によってのみ感かすことの出来る輝かしいものとして現われなければなるまいと思う。 死ぬまで芸術の研究者であっても好い。 けれども芸術に対してオッチョコチョイであってはならない。・・・ 宮本百合子 「無題(二)」
・・・ 革命博物館は今こそ、主としてロシアの革命史を、材料としているが、今にここに世界プロレタリアートの解放の輝かしい歴史が、飾られる日が遠くないのだ。〔一九三一年十一月〕 宮本百合子 「ロシアの過去を物語る革命博物館を観る」
・・・これは、文学の世界においてゴーリキイによって始めて達せられた輝かしい見本である。 ゴーリキイの文学的成果は非常に豊富である。一九三二年前後に邦訳で出版された全集だけでも二十四冊あり、なおその後の文学的活動は更に数冊の本となって現われるで・・・ 宮本百合子 「私の会ったゴーリキイ」
・・・を読んだときの一種の輝かしい感銘は、その本の内容を忘れてしまった今日も、猶鮮やかに心に刻まれているのである。〔一九四一年五月〕 宮本百合子 「私の科学知識」
・・・の物象にとどまることをしないで、彼を取り巻く無数の物象に、多情と思えるほどな愛情をふり撒く。『地下一尺集』の諸篇はこの多情な、自然及び芸術との「情事」の輝かしい記録である。伊豆の海岸。江戸。京、大阪。長崎。奈良。北京。徐州。洛陽。(ここで彼・・・ 和辻哲郎 「享楽人」
出典:青空文庫