・・・ 併し自修ばかりでは一人合点で済まして居て大間違いをして居る事があるものですから、そこで輪講という事が行われる。それは毎日輪講の書が変って一週間目にまた旧の書を輪講するというようになって居るのです。即ち月曜日には孟子、火曜日には詩経、水・・・ 幸田露伴 「学生時代」
・・・ 大学へはいったらぜひとも輪講会に出席するようにと、高等学校時代に田丸先生友田先生からいい聞かされていたから、一年生の頃からその会の傍聴に出席して、片隅で小さくなって聞いていた。話は六かしくて大抵は分からなかったが、ほんのわずかばかり分・・・ 寺田寅彦 「科学に志す人へ」
・・・並びに「気象輪講」ルーベンスの「物理輪講」アドルフ・シュミットの「海洋学」「地球のエネルギーハウスハルト」「地球物理輪講」キービッツの「空中電気」ワールブルヒの「理論物理学特別講義」ペンクの「地理学輪講」という御膳立にきめた。 ヘルマン・・・ 寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
・・・ かの地ではおいおい趣味の上の友だちができて、その人たちと寄り合って外国文学の輪講会をやったりしていたようである。絵もいろいろかいていたらしい。ある時はたんねんに集めていた切り抜き版画などの展覧会をやったり、とにかく相当に自分の趣味を満・・・ 寺田寅彦 「亮の追憶」
出典:青空文庫