・・・穀物、家畜を積んだ貨車と、農具を満載した貨車とがすれちがった。 都会だ。工場だ。都会の工業生産と、労働者との姿が巨大に素朴にかかれている。 閲兵式につづいてデモはモスクワ全市のあらゆる街筋から、この赤い広場に流れこむ。 日が暮れ・・・ 宮本百合子 「インターナショナルとともに」
・・・種代、農具代は、政府の補助がある。集団農場員が冬を越すに必要な薪を伐り出す森林はタダで国家からもらう。集団農場員の家族は、年寄、子供で働けない者でも、集団農場が養って食わしてくれるのだ。何と安心だろう! しかも、集団農場にはグングン無料・・・ 宮本百合子 「ソヴェト労働者の解放された生活」
・・・肥料・農具も足りない状態になって来た。実際生産用具はそのように欠乏に欠乏を重ねて来るのに、増産の必要は昂まるし、一方には正規の増産とその配給とを攪乱するような農業会、統制会、闇売買が横行して、農村では近年の一つの病的な社会現象として、物がな・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫