・・・民主主義文学の話のときは、口述や速記の中の一つの誤記が、ときと場合でどういう怪物としてつかわれるかを学んだ。 彼の聴衆や読者というものは、『新日本文学』などを決してよむことのない人たちとして、平野氏は、ああいう話しかたをしたのだろうか。・・・ 宮本百合子 「孫悟空の雲」
・・・ 附記 大会速記が不備だったので補足整理しました。〔一九四九年二月〕 宮本百合子 「討論に即しての感想」
漱石全集第十三巻のなかほどに「私の個人主義」という漱石の講演速記が収められている。大正三年と云えば、いまから三十六年もの昔、十一月のある日漱石が輔仁会で講演をした。その話の全文である。「私の個人主義」という講題の古めか・・・ 宮本百合子 「日本の青春」
・・・二十歳をすこし出たばかりぐらいのふっくりとして愛らしい人と、速記をやってもう仕事をたすけている二十四五のひととが、臨時の書記にきめられた。数人のひとが、又この次日をきめて集るということになった。婦人に関係する綱領がつくられる仕事があった。・・・ 宮本百合子 「風知草」
・・・追記 この速記録は例によってわたしの早口から混乱したものになっていたので補足したと一緒に後半の通信活動の分を整理して殆ど新しく書きました。サークル活動が種々の問題を提起しているし、民主主義文学の成長の基盤が漠然と人民的とか労働者生活・・・ 宮本百合子 「平和運動と文学者」
・・・ いかにも屈託のない家庭らしい。速記録をよんで、私はいろいろの暗示をうけ面白く感じた。若い娘とその両親とが、公人としてそれぞれの立場から結婚の問題や婦人と職業の問題について睦じく公然と意見を話す時代になって来たのは、社会的に云っても、家・・・ 宮本百合子 「短い感想」
・・・という記事は、特別調査委員会における速記録の一部をのせて、この悲劇の核心を照し出しています。 委員たちが、菅氏にしつこく、くい下った質問は、どれも常識をはずれたいいがかりと、威脅でした。ひとこと、ひとことが、菅氏を予定のワナに近づけ・・・ 宮本百合子 「若き僚友に」
出典:青空文庫