・・・ 個人個人の間の恋愛形態が社会にどれだけ連帯責任をもつかということよりはむしろ旧時代の恋愛および結婚生活が絶対のものであるという私有財産制から発生したブルジョア一夫一妻制の宗教的考えを打破するに急であった。 だけれども現在は建設時代・・・ 宮本百合子 「ソヴェトに於ける「恋愛の自由」に就て」
・・・併し独立した社会人としての家庭の各員が共同の連帯責任を以て、社会人としての義務をお互に果して行く家庭は勿論鞏固に発達している。が、普通の概念に於ける家庭というものはない。つまり我々が眼にしている普通の家庭というものは、家長はおやじ。それでお・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・そして徳永直が、民主的運動におけるインテリゲンツィアと労働者との連帯性について前進的に、客観的に語っているのをよんだ。そのことからも「勤労者文学」がさらに複雑でまた統一的な民主主義文学運動のうちにつよく展開する可能が感じられる。はっきり労働・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・戦争を欲するものの国際的連帯があるならば、その不幸を防ごうとするものの国際的な協力も当然生じて、第一次ヨーロッパ大戦は、はじめて、世界的に平和主義者の団結を与えた。フランスのロマン・ローランをはじめ多くの人類平和を守ろうとする人々はドイツの・・・ 宮本百合子 「それらの国々でも」
・・・ヨーロッパ文化は、一方で、トルストイやストリンドベリーのように、そういう甘たるい客間のしきたりに頑固に反撥した人々をもち、今日では、本質の異った社会連帯によって女の性を保護することが客間のエティケット以上の重要事であることを理解し、その実現・・・ 宮本百合子 「日本の秋色」
・・・も国際的連帯をたって「日本ペンクラブ」となり、日本浪漫派の人々は亀井勝一郎、保田与重郎、中河与一を先頭として「日本精神」の謳歌によって文飾されたファシズム文学を流布した。女詩人深尾須磨子はイタリーへ行って、ムッソリーニとファシズムの讚歌を歌・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・そして、これらの本を書評にとりあげることの本質には、これらの人々の切実な生のよび声を、わたしたちの社会連帯の感覚のうちによりひろく伝える義務がふくまれていると感じる。健康な人間が健康な人間を殺戮するために科学の精髄をつくして研究している、そ・・・ 宮本百合子 「病菌とたたかう人々」
・・・ と、一つの条件的事実だけをさも決定的なものらしく全面にひろげて強調し、各民族間のプロレタリア・農民としての世界的連帯を切ろうとするところにある。中国は中国、日本は日本、をファッショの立場から主張する文化的下地を最もよくつくるのは、国際的主・・・ 宮本百合子 「プロレタリア文学における国際的主題について」
・・・ファシズムがおこったときフランスに人民戦線運動がつくられたのをはじめとして、世界の民主的方向が労働者階級の同盟者として農民、更にその協働力として進歩的な小市民、インテリゲンツィアが連帯活動におかれている。このことは、私たちに民主主義文学運動・・・ 宮本百合子 「プロレタリア文学の存在」
・・・そして資本主義が発展すればするほど一方では勤労階級の自然的な社会自覚と国際連帯のテムポは早まってくることはさけがたい。だから、権力はいよいよ反資本主義的な社会要素を嫌悪する。まして、資本主義がファシズムの段階に入り、全く人民の犠牲そのものに・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
出典:青空文庫