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・・・道ばたの田の縁に小みぞが流れているが、金気を帯びた水の面は青い皮を張って鈍い光を照り返している。行くうちに、片側の茂みの奥から道を横切って田に落つる清水の細い流れを見つけた時はわけもなくうれしかった。すぐに草鞋のまま足を浸したら・・・
寺田寅彦
「花物語」
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・・・「ははあ、何かの料理に電気をつかうと見えるね。金気のものはあぶない。ことに尖ったものはあぶないと斯う云うんだろう。」「そうだろう。して見ると勘定は帰りにここで払うのだろうか。」「どうもそうらしい。」「そうだ。きっと。」 ・・・
宮沢賢治
「注文の多い料理店」