・・・只今開催中の臨時議会は、戦争犯罪人の摘発に脅かされて、新聞はおのずから諷刺的に彼等の恐慌を語っている。社会生活の破壊がもたらす様々な辛苦を、家庭で婦人は自身の皸のきれた手によって知っている。婦人の参政権どころか、「食べることの方が忙しい」と・・・ 宮本百合子 「現実に立って」
・・・ この表でも分るように、例えば婦人の文盲率の最も高いトルクメン、キルギース、ウズベクでさえ、一九三〇年の夏、モスクワで演劇オリムピアードが開催された時はどうだったろう。これらの民族の国立劇団が、自分たちの地方の生産、これを中心として行わ・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・を会長とする日本ペン倶楽部が組織された。 文学における能動精神、新たなヒューマニズムの気運は、フランスに於てこの年の六月「文化擁護国際作家大会」を開催させた。会議はパリで開かれ、参集国は日本を除く二十八ヵ国、代表者は二百三十名。まことに・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
この秋文展と殆ど同時に関西美術展というのが開催された。 病気からすっかり丈夫にならないので、明治大正美術展も見られなかったし、このときも行かれず、残念に思った。新聞に代表的な作品の写真がのったなかに、上村松園の作品があ・・・ 宮本百合子 「「青眉抄」について」
・・・ ソヴェトの絵の展覧会は、パリやあちこちで開催されて、ソヴェト美術の紹介とされている。 それでウクライナの木版なんかも非常にいいのをウィーンかどっかへ持って行って展覧会を開いた。ウクライナの木版は非常に独特で、そうして面白いものであ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・ 一九四九年九月二十一日から十日間、北京で開催された人民政治協商会議第一回全体会議の第一日に行われたあなたの演説が、日本で読まれています。「いまやこの国には活気があふれている。中国人民は、前進しており、革命の気にあふれている。これは・・・ 宮本百合子 「宋慶齢への手紙」
・・・一回二回は自分の知らないときに、種々な困難を克服して開催された。自分としては、だからはじめっから今日までの日本におけるプロレタリア美術展の発育を比較することは残念ながら出来ない。 だが、この会場に漲る活気と画題のまやかしでない現実性とは・・・ 宮本百合子 「プロレタリア美術展を観る」
・・・第二回のこの会議は、開催された場所が物語っているとおりスペインの文化擁護を議題としていたのであった。 スペインにおける旧い支配者たちによって内乱が企てられたのは去年の七月であった。二年目の今日では、独伊両国の干渉戦と化し、本質的に最も深・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
六月下旬にパリで四日間に亙って開催された国際ペンクラブの第十五回大会に、有島生馬氏や井上勇氏、久米正雄氏などが出席したことが新聞に出ている。その議事日程の中、委員付託による四つの問題の検討がされている。世界文学に今日のスタ・・・ 宮本百合子 「ペンクラブのパリ大会」
・・・ゴーリキイはこの旅行に正式に結婚していなかった妻を同伴したところ、アメリカの清教徒婦人の間からそのことで、講演開催に反対する運動がはじめられたのであった。 これらの活動でゴーリキイの肺病が悪化した。この旅行の帰途ゴーリキイは政治的移民と・・・ 宮本百合子 「逝けるマクシム・ゴーリキイ」
出典:青空文庫