・・・ところが近代になって電子などというものが発見され、あらゆる電磁気や光熱の現象はこの不思議な物の作用に帰納されるようになった。そしてこの物が特別な条件の下に驚くべき快速度で運動する事も分って来た。こういう物の運動に関係した問題に触れ初めると同・・・ 寺田寅彦 「アインシュタイン」
・・・それも始めはエーテルの弾性的の波であると考えられたのが、後には電磁気波でなければならぬと考えられることになった。しかし物理学の非常に進歩した今日でも、光の本性についてはまだ解決のつかない事はいくらもある。これらの歴史を幾分でも児童に了解させ・・・ 寺田寅彦 「研究的態度の養成」
・・・なるほど電磁気学理論の初歩も知らない素人で非常にラジオ通があるのに、三十年来この方面の学問に関係し、しかもそれで生活して来ている人間が、宅のラジオくらいを直すのに、一々ラジオ屋さんの御苦労を願うというのは自分ながら妙なことであると思われなく・・・ 寺田寅彦 「ラジオ雑感」
・・・しかし読物には事を欠かなくてマクスウェルの電磁気論や、マクスウェル及びヘルムホルツの色の研究、それからストークスやウィリアム・タムソンの主要な論文を読み、傍らまたミルの論理学や経済論を読んでいた。 一八六六年二十四歳で Trinity ・・・ 寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
出典:青空文庫