・・・もしそれこれを憶うていよいよ感じ、瞑想静思の極にいたればわれ実に一呼吸の機微に万有の生命と触着するを感じたりき もしこの事、単にわが空漠たる信念なりとするも、わが心この世の苦悩にもがき暗憺たる日夜を送る時に当たりて、われいかにしばしば汝・・・ 国木田独歩 「小春」
・・・神学者にでも言わせようものなら、「生産的静思」なんぞと云うだろう。そう云う態度に自身を置くことが出来るように、この男は修養しているのである。オオビュルナン先生はこんな風に考えている。もっともそれは先生だけの考えかも知れない。文人は年を取るに・・・ 著:プレヴォーマルセル 訳:森鴎外 「田舎」
・・・ 第二に、アレゴリーは、静的だ。静思的だ。それだから、たとえそれが反抗的な要素によってつくられていても、直接に、大胆に暴露や批判はしない。消極性を少なからずもっている。 今日、世界唯一のプロレタリアートの国ソヴェト・ロシアは昔から、・・・ 宮本百合子 「新たなプロレタリア文学」
出典:青空文庫