[名・形動]

  1. 手間がかかったり、解決容易でなかったりして、わずらわしいこと。また、そのさま。「—な手続き」「—なことにならなければよいが」「断るのも—だ」「—を起こす」

  1. 世話。「この子の—をお願いします」

  1. 体裁がわるいこと。見苦しいこと。また、そのさま。

    1. 「此の君の御供申し、不足なく見する物は—なり」〈義経記・五〉

[補説]「目 (め) どうな」の音変化。「どうな」は、むだになることで、見るだけむだなものが原義。「な」が形容動詞連体形語尾の「な」のように意識され、「めどう」「めんどう」となり、「面倒」と当て字されるようになった。
[派生]めんどうがる[動ラ五]めんどうさ[名]
[用法]面倒・[用法]厄介——「面倒な(厄介な)問題をかかえこんだ」「入国には面倒な(厄介な)手続きが必要だ」「面倒(厄介)をおかけしてすみません」など、わずらわしいの意、また人をわずらわすの意では相通じて用いられる。◇「面倒」は気分としてわずらわしいという意が強いのに対し、「厄介」は事柄そのものが手間がかかってむずかしいというときに多く用いられる。「ごはんをたくのが面倒だから店屋物にしよう」「面倒がらずに辞典を引こう」では、ふつう「厄介」は使わない。◇「後輩の面倒を見る」は、世話をするの意。「知人の家に厄介になる」は、世話になるの意。それぞれ置き換えはできない。◇「面倒」「厄介」よりも文章語的な言い方として「煩雑」がある。「煩雑に入り組んだ人間関係」「事後処理の煩雑さに音を上げる」などと用いる。

出典:青空文庫

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