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・・・けれども私は、よほど頭がわるく、それにまた身のほど知らぬ自惚れもあり、人の制止も聞かばこそ、なに大丈夫、大丈夫だと匹夫の勇、泳げもせぬのに深潭に飛び込み、たちまち、あっぷあっぷ、眼もあてられぬ有様であった。そのような愚かな作家が、未来の鴎外・・・
太宰治
「困惑の弁」
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・・・するとからだ中の毛がみんなまるで銀の針のように見えるよ。あっぷあっぷ溺れるまねをしたりなんかもするねえ、そんなことをしてふざけながらちゃんと魚をつかまえるんだからえらいや、魚をつかまえてこんどは大威張りで又氷にあがるんだ。魚というものは本当・・・
宮沢賢治
「風野又三郎」