おんなえ【女絵】
1 平安時代、男絵 (おとこえ) に対して使われた語。情趣に富んだ濃彩の絵をいうとするが、その内容ははっきりしない。一説には、墨がきの絵といい、素人絵のことともいう。「をかしげなる—どもの、恋する男の住まひなど書きまぜ」〈源・総角〉 2 女をかいた絵。美人画。
おんなおうぎ【女扇】
女持ちの小型の扇。→男扇
おんなおび【女帯】
女性の締める帯。→男帯
おんなおや【女親】
女のほうの親。母親。母。⇔男親。
おんながく【女楽】
女ばかりで、または、女が中心となって演奏する音楽。「箏 (さう) 琵琶 (びは) の音 (ね) も合はせて、—試みさせむ」〈源・若菜下〉
おんながた【女方】
1 男と女とを二組に分けた、その女の側。⇔男方。「—の心ゆるし給はぬ事の紛れあるは」〈源・竹河〉 2 妻の身内。妻の親戚。「—よりもたびたびものすることありしにも」〈宇津保・楼上上〉 3 女のいる所。特に、女官の控えている台盤所 (だいばんどころ) など。「男、—許されたりければ」〈伊勢・六五〉 4 ある男の妻、または、恋人である女性。女の方。「たどり薄かるべき—にだに皆思ひおくれつつ」〈源・若菜下〉
おんながた【女形/女方】
歌舞伎で、女の役を演じる男の役者。また、その役柄。江戸初期に、女歌舞伎が禁止されて以後に現れた。おやま。⇔男形 (おとこがた) 。
おんながな【女仮名】
平仮名 (ひらがな) 。草仮名 (そうがな) 。→男仮名
おんなかぶき【女歌舞伎】
慶長年間(1596〜1615)京都に始まった、女性を主とする歌舞伎。寛永6年(1629)に風紀を乱したとして禁止された。阿国 (おくに) 歌舞伎・遊女歌舞伎など。
おんながら【女柄】
女が着るのにふさわしい柄。→男柄