-
・・・漁師のパック、詩人トック、音楽家クラバックなどの活躍する芥川の河童の国には、生活と判断とが溌溂と盛られていて、作者の社会批評と人生と芸術への気持が、積極な熱をもって流れている。 それにもかかわらず、河童の国へ墜ちなければ、クラバックの直・・・
宮本百合子
「日本の河童」
-
・・・労働者クラブの「赤い隅」はゴーリキイの著作と、その工場の労働者がどの作品を一番愛読したかという表などで飾られている。工場の労働通信員たちは、黙ってしかし胸をときめかしている。ゴーリキイが自分達の工場へ見学に来たら、それこそ腕一杯の素晴らしい・・・
宮本百合子
「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」