・・・そして、当選して、開院式の折、またその他の場合とかく「女らしく」衣服のことまで話題にされた。女らしさを標語にした婦人代議士たちにしても、それはさぞうるさく迷惑なことであったろう。女は「女らしく」婦人代議士クラブというのをこしらえた。女らしく・・・ 宮本百合子 「「女らしさ」とは」
・・・はどんな風にして行われ、当選作品はどんな風にしてみんなに発表され、よまれ、批評されたか、そのいきさつや、情景についてみじかいルポルタージュを書いて『新日本文学』へお送り下さい。創作コンクールが行われたりしたのは、いずれ戸外労作の少いシベリア・・・ 宮本百合子 「結論をいそがないで」
・・・日本時間で十一月四日の午前、トルーマン当選確定となったあと、東京のあちこちの印刷屋に駈けつけてとりいそぎ目下進行中の新年号の雑誌の特輯の中から大統領ときめこんでとりあつかったデューイの、或はデューイ氏に関する記事のさしかえをしなければならな・・・ 宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
・・・その中には十七名の婦人代議士が加っており、他のどの政党よりも、多くの婦人が当選しました。何人かの未亡人があるというのも、何と意義深いことでしょう。 フランスの婦人たちは、この戦争によって流した無限の涙と、引き裂かれ失われたすべての愛のな・・・ 宮本百合子 「幸福のために」
・・・ 旧支配権力が無条件降伏した一九四五年八月以後、第一回の総選挙が行われ、婦人代議士は三十九名という多数が当選しました。又憲法が改正され、民法改正草案が示され労働基準法が審議されつつあります。旧い封建日本はようよう近代の民主的な人民の生活・・・ 宮本百合子 「国際民婦連へのメッセージ」
・・・これらの大勢の婦人代議士の中で、日本の民主化と人民生活の向上、そのことからもたらされる婦人の社会生活の改善のために、次回も当選してほしいと希望される人は何人あるでしょう。 一年間の最も雄弁な教訓は、これ等の婦人代議士が女は女の生活をよく・・・ 宮本百合子 「今度の選挙と婦人」
・・・しんからの感興と情熱とを動かされる瞬間のうちには、何かの意味で今日の歴史の命がこもっているわけだが、例えば最近或る文学賞の候補に一つの小説がのぼって、多数の投票があったが、それは生々しいテーマで当選してもその雑誌に発表されないからというのが・・・ 宮本百合子 「今日の作家と読者」
・・・『文芸』の当選作「運・不運」を読み、選評速記を熟読して、深くその感に打たれた。 三「運・不運」は、この作だけについて決定的なことを云われたら作者も困る作品だろうと思った。『文芸』の今回の選には満場一致のよう・・・ 宮本百合子 「今日の文学の諸相」
・・・も、オペラでも、文学でも、あらゆることが、文化サークルの中にあって、そこで、この人たちの好きな、やりたいことをやっているうちに才能が成長し、発見され、みんなが助け合って地区の文化サークルのコンクールに当選する、さらに地方のコンクールに当選し・・・ 宮本百合子 「社会と人間の成長」
・・・は文芸春秋社の芥川賞に当選した。「糞尿譚」は糞尿汲取の利権をめぐる地方の小都市の政党的軋轢を題材として、文章の性格は説話体であり、石坂洋次郎などの文章の肉体と相通じた一種のねっとりとした線の太さ、グロテスクな味いを持ったものであった。題材は・・・ 宮本百合子 「昭和の十四年間」
出典:青空文庫