・・・薄暗いので、念を入れて額縁の中を覗くと、肖像や画ではなくて、手紙か何かのような、書いた物である。己は足を留めて、少し立ち入ったようで悪いかとも思ったが、決心して聞いて見た。「あれはなんだね。」「判決文です。」エルリングはこう云って、・・・ 著:ランドハンス 訳:森鴎外 「冬の王」
・・・個所などを除く時、トルストイの芸術観に適合する作物となるそうである。現代徳育の理想もまた八犬士の境地である。この理想はよい。よいには相違ないがこの理想によって「虚栄を根本より覆せ」と叫ぶものは過激だとお叱りを蒙る。「不徳の人間を社会より放逐・・・ 和辻哲郎 「霊的本能主義」
出典:青空文庫