・・・ きしに つくと、けがわを きた エスキモーの おじいさんが、しのびよって、ふいに あたまから、あみを かぶせました。子ぐまは いけどりに されたのです。そうして、おりに いれられて、とおい 町の どうぶつえんへ おくられました。・・・ 小川未明 「しろくまの 子」
一 パーロの嫁取り 北極探検家として有名なクヌート・ラスムッセンが自ら脚色監督したもので、グリーンランドにおけるエスキモーの生活の実写に重きをおいたものらしいので、そうした点で興味の深い映画である。グリー・・・ 寺田寅彦 「映画雑感6[#「6」はローマ数字、1-13-26]」
・・・ゆる方面から自然にこの極東の島環国に集中した種族の数は決して二通りや三通りでなかったであろうということは、われわれの周囲の人々の顔の中にギリシア型、ローマ型、ユダヤ型をはじめインディアン型、マレイ型、エスキモー型からニグロ型までことごとく標・・・ 寺田寅彦 「カメラをさげて」
・・・云うまでもなく、朝顔を見たことのないエスキモー土人に朝顔を説明するに百万言を費やすよりも写真か映画で一分間を費やした方が早分りである。一と口に云えば映画は観客の眼の代理者でありまたその案内者なのである。観客が到底行かれぬ場所へ観客の眼を連れ・・・ 寺田寅彦 「教育映画について」
・・・こんな新聞記事をよむ暇があったら念仏でもするかエスキモー語の文法でも勉強した方がいい。 火鉢のそばに寝ていた猫が起きあがって一度垂直に伸び上がってぶるぶると身振いをする。それから前脚を一本ずつずっと前へ伸ばして頭を低く仰向いて大きな欠伸・・・ 寺田寅彦 「初冬の日記から」
出典:青空文庫