・・・ 去年の春ごろ、内山敏氏が、ある雑誌にトーマス・マンの長女のエリカ・マンが、弟のクラウス・マンと共著した「生への逃亡」について、エリカ・マンの活動を紹介しておられた。この短い伝記は、感銘のふかいものであった。知識階級の若い聰明な女性が、・・・ 宮本百合子 「明日の知性」
・・・〔欄外に〕エリカマンのペッパーミルのフーシは疑問とされているわけです獅子文六 そして、アメリカ女優に接吻をおそわる日本人は おかしい辰野 悲劇と喜劇との境は きわどいもので。アメリカは朝鮮でも・・・ 宮本百合子 「東大での話の原稿」
・・・そのものが地上にふかく舞い下りて、地の塩とならないにしても、その刺戟から更に新鮮な機運がわき出て、一九三三年ごろエリカ・マンがナチス政権のもとで組織していた「ペッパーミル」に似た演劇団が生れるかもしれない、そういうところへまで思いをはせれば・・・ 宮本百合子 「人間性・政治・文学(1)」
出典:青空文庫