・・・なにしろ、外米はつめたくなると一そうパラつくのである。 前夜から洗っておいて、水加減を多くし、トロ火でやわらかくそしてふきこぼれないようにたいてみた。 小豆飯にたいてみた。 食塩をいれていく分味をつけてみた。 寒天をいれて、・・・ 黒島伝治 「外米と農民」
・・・と、その間から、折り畳んだ紙片が、パラ/\とアンペラの上に落ちた。「うへえ!」 棚のローソクの灯の下で袋の口を切っていた一人は、突然トンキョウに叫んだ。「何だ? 何だ?」一時に、皆の注意はその方に集中した。「待て、待て!・・・ 黒島伝治 「前哨」
・・・キラ/\光っている黄銅鉱の間から、砂が時々パラ/\パラ/\落ちて来た。「これゃ、どうもあぶなそうだな。」「なに、大丈夫だよ。」 彼等は左右に掘り拡げた。同時に棚を作って天井に向って掘り上げた。そして横坑は、そのさきへも掘り進めら・・・ 黒島伝治 「土鼠と落盤」
出典:青空文庫